《夢日記》Mr.Dに蝕まれながら

徐々に蝕まれつつ、夢と現実を行き来する日々の記録。

【夢日記】3月30日の夢「地獄のヒヨコ」

f:id:hatetoko:20210320170821p:plain

途中まで忘れてしまったが、ヒヨコを飼い始めたところから強く印象に残っているためそれを書く。

自宅でヒヨコを飼い始めた。何か動物を飼うという話になって、毛がふさふさの動物がいいと言ったらなぜかヒヨコになった。

しかし私はそのヒヨコを随分と気に入ったようで、覚えていないが名前を付けていた。

 

なにを食べるかわからないためいろいろなものを与えていた記憶がある。印象深いのはキャットフードと納豆ごはんで、前者はおいしそうに皿の半分ほど食べていたが、後者は匙を近づけただけで嫌そうな顔をし、一口食べると不味そうに歪ませていた。

 

さて、ここは普段私が過ごしている自宅だが、室内は同じでも外の世界はまったく違うようだ。まず地上が三層に分かれていて、天国、地上、地獄、のうち私の家は地獄にあった。

地獄、といっても我々が一般的に想像するような恐ろしさはない。罪人もいないし閻魔様もいない。青空が見えて草木も生えていた。地獄の上に地上と天国が存在するわけだが、地上と天国は真ん中が巨大な空洞になっていて、地獄からでもその上を見ることができていた(角度によるが、見ようと思えば地上と天国の様子もうかがえる)。

 

夜になりヒヨコの世話も終わったので自室に戻る。

ヒヨコは、納豆ごはんを食していた頃からすでに体が人間になりつつあった(これが擬人化かなどと考えていたが違うと思う)ため、別室で寝るようだ。

どのくらい寝ていたのか分からないが、夜中に枕元の携帯から着信音が聞こえる。電話だ。

兄からだと思っていたため、名前を見ずに電話に出た。

 

私「はいー」

?「よう、元気か」

私「……え、兄じゃない、誰」

 

兄よりも少し高めの、聞き覚えのない声が聞こえ、スマホの画面を確認する。

電話番号の名前のところには『ヴァンパイア』の文字。本当に誰。登録した覚えもないため頭の中は混乱していた。

 

「……あー、あーー、久しぶりですー」

 

しかし何を思ったか、夢の中の私は知人のふりをした。相手も特に何も思わなかったようだ。

 

ヴァンパイア「神様が、お礼にってミレニウム草を送ったらしい」

私「どうしてそうなった」

ヴァンパイア「お前んとこの鳥が幸せの卵を産ませてるって」

私「?????」

ヴァンパイア「鶏! 飼ってるんだろ」

私「いや、飼ってるのは……」

 

言いかけたところでふと窓の外を見ると、天国に近い上空の方で、私の飼っているヒヨコ(人化済み)が雲の上の鶏たち(おそらく雌)の場所へ次々と、飛んで行っては卵を産ませて、を繰り返していた。

うちの子、雌だと思ってた。見た目は女の子なのに。

聞くところによるとその卵たちがどうやら幸せの卵というものらしく、それを産ませてくれたことに、天国にいる神様が感謝しているのだという話だった。

ちなみにミレニウム草というのは現実にはないと思うが、この夢の中の世界では虹色の花を咲かせる幸せの植物だ。それを束でくれるらしい。

 

私「ありがたい」

ヴァンパイア「天国からだから地上に送ったそうだ」

私「待って、私の家地獄なんだけど?」

ヴァンパイア「地上に取りに行くんだな。じゃあ」

 

そういってヴァンパイアから一方的に切られる。

まじかーと呟きながら、私は再び眠りに落ちた。

 

 -+-+-+-

 

翌朝目覚めると、我が家は海の目の前にあった。砂浜の上だと思う。

外の景色が変わったことに驚きはせず、周りに家がないことから、静かでいい空間だ、と思っていた。

 

一階の居間に降りて(自室は二階にある)、ヒヨコと一緒に朝食を取ろうなどと考えながら布団から出て外を見ると、海の上をものすごい勢いで船が走っているのが見えた。しかもよくよく見ると、こちらに向かってきているようである。

嫌な予感がして、身を隠しつつ観察していると、案の定家の近くに船が止められ、中から赤い服を着た軍人らしき人々が何人も降りてきた。手には松明を持っている。

 

「(おいおい待て待て、まさか)」

 

そのまさかである。なんとうちに向かって火を放ってきたのだ。

一体我が家に何の恨みが!! と叫びながら、逃げるために大事なものをかき集めた。時間はあまりないだろう。最低限、絶対燃やしたくない物だけを持っていかなくては。

 

「(急げ私。これは持ってく、これは燃えてもあとで探せば……)」

 

外に逃げるため一応着替えもする。

 

「ヒヨコも持ってかなきゃ。あああ、母のヘソクリってどこに隠してあるんだろっ?」

 

母は外出中のため、今家にいるのはヒヨコと私だけのはず。急いで一階に降り、居間から外を見て。

……そこには、赤い軍人のほかに、青い軍人と黄色い軍人がいた。大勢で戦っているようだ、が、それもすぐに収まり、三色がそれぞれ海に向かって整列し、敬礼のポーズをとる。

代表者らしき人が前に出てきて、大きな声で言った。

 

「これにて三軍合同演習を終わりとする! 解散!」

 

ぞろぞろと撤収していく軍人たちを、いつの間にか消火活動の行われていた我が家から眺める。

 

……いやいや。

合同演習で人んちに火を放つなよ。