《夢日記》Mr.Dに蝕まれながら

徐々に蝕まれつつ、夢と現実を行き来する日々の記録。

【夢日記】3月30日の夢「地獄のヒヨコ」

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途中まで忘れてしまったが、ヒヨコを飼い始めたところから強く印象に残っているためそれを書く。

自宅でヒヨコを飼い始めた。何か動物を飼うという話になって、毛がふさふさの動物がいいと言ったらなぜかヒヨコになった。

しかし私はそのヒヨコを随分と気に入ったようで、覚えていないが名前を付けていた。

 

なにを食べるかわからないためいろいろなものを与えていた記憶がある。印象深いのはキャットフードと納豆ごはんで、前者はおいしそうに皿の半分ほど食べていたが、後者は匙を近づけただけで嫌そうな顔をし、一口食べると不味そうに歪ませていた。

 

さて、ここは普段私が過ごしている自宅だが、室内は同じでも外の世界はまったく違うようだ。まず地上が三層に分かれていて、天国、地上、地獄、のうち私の家は地獄にあった。

地獄、といっても我々が一般的に想像するような恐ろしさはない。罪人もいないし閻魔様もいない。青空が見えて草木も生えていた。地獄の上に地上と天国が存在するわけだが、地上と天国は真ん中が巨大な空洞になっていて、地獄からでもその上を見ることができていた(角度によるが、見ようと思えば地上と天国の様子もうかがえる)。

 

夜になりヒヨコの世話も終わったので自室に戻る。

ヒヨコは、納豆ごはんを食していた頃からすでに体が人間になりつつあった(これが擬人化かなどと考えていたが違うと思う)ため、別室で寝るようだ。

どのくらい寝ていたのか分からないが、夜中に枕元の携帯から着信音が聞こえる。電話だ。

兄からだと思っていたため、名前を見ずに電話に出た。

 

私「はいー」

?「よう、元気か」

私「……え、兄じゃない、誰」

 

兄よりも少し高めの、聞き覚えのない声が聞こえ、スマホの画面を確認する。

電話番号の名前のところには『ヴァンパイア』の文字。本当に誰。登録した覚えもないため頭の中は混乱していた。

 

「……あー、あーー、久しぶりですー」

 

しかし何を思ったか、夢の中の私は知人のふりをした。相手も特に何も思わなかったようだ。

 

ヴァンパイア「神様が、お礼にってミレニウム草を送ったらしい」

私「どうしてそうなった」

ヴァンパイア「お前んとこの鳥が幸せの卵を産ませてるって」

私「?????」

ヴァンパイア「鶏! 飼ってるんだろ」

私「いや、飼ってるのは……」

 

言いかけたところでふと窓の外を見ると、天国に近い上空の方で、私の飼っているヒヨコ(人化済み)が雲の上の鶏たち(おそらく雌)の場所へ次々と、飛んで行っては卵を産ませて、を繰り返していた。

うちの子、雌だと思ってた。見た目は女の子なのに。

聞くところによるとその卵たちがどうやら幸せの卵というものらしく、それを産ませてくれたことに、天国にいる神様が感謝しているのだという話だった。

ちなみにミレニウム草というのは現実にはないと思うが、この夢の中の世界では虹色の花を咲かせる幸せの植物だ。それを束でくれるらしい。

 

私「ありがたい」

ヴァンパイア「天国からだから地上に送ったそうだ」

私「待って、私の家地獄なんだけど?」

ヴァンパイア「地上に取りに行くんだな。じゃあ」

 

そういってヴァンパイアから一方的に切られる。

まじかーと呟きながら、私は再び眠りに落ちた。

 

 -+-+-+-

 

翌朝目覚めると、我が家は海の目の前にあった。砂浜の上だと思う。

外の景色が変わったことに驚きはせず、周りに家がないことから、静かでいい空間だ、と思っていた。

 

一階の居間に降りて(自室は二階にある)、ヒヨコと一緒に朝食を取ろうなどと考えながら布団から出て外を見ると、海の上をものすごい勢いで船が走っているのが見えた。しかもよくよく見ると、こちらに向かってきているようである。

嫌な予感がして、身を隠しつつ観察していると、案の定家の近くに船が止められ、中から赤い服を着た軍人らしき人々が何人も降りてきた。手には松明を持っている。

 

「(おいおい待て待て、まさか)」

 

そのまさかである。なんとうちに向かって火を放ってきたのだ。

一体我が家に何の恨みが!! と叫びながら、逃げるために大事なものをかき集めた。時間はあまりないだろう。最低限、絶対燃やしたくない物だけを持っていかなくては。

 

「(急げ私。これは持ってく、これは燃えてもあとで探せば……)」

 

外に逃げるため一応着替えもする。

 

「ヒヨコも持ってかなきゃ。あああ、母のヘソクリってどこに隠してあるんだろっ?」

 

母は外出中のため、今家にいるのはヒヨコと私だけのはず。急いで一階に降り、居間から外を見て。

……そこには、赤い軍人のほかに、青い軍人と黄色い軍人がいた。大勢で戦っているようだ、が、それもすぐに収まり、三色がそれぞれ海に向かって整列し、敬礼のポーズをとる。

代表者らしき人が前に出てきて、大きな声で言った。

 

「これにて三軍合同演習を終わりとする! 解散!」

 

ぞろぞろと撤収していく軍人たちを、いつの間にか消火活動の行われていた我が家から眺める。

 

……いやいや。

合同演習で人んちに火を放つなよ。

【夢日記】3月28日の夢「卒業式の前日」

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高校の卒業式の前日に、私たちは教室で待機していた。

もちろんクラスメイト全員が椅子に座って待機しているのだけれど、自習の時間というわけでもないので、各々自由に友人とおしゃべりをしている。

そんな中、同じ班の先輩(実際には先輩だがこの夢では同級生という設定らしい)が、班員に聞こえる程度の声でぼそりと呟いた。

 

タ「明日がいよいよ卒業式だが、卒業する前に、ちゃんときめないとな」

私「何を決めるんだ?」

タ「決定の方じゃないぞ。告白を成功させたいんだ」

 

おおおっ、と班員がどよめく。私の隣で算数(数学じゃないところが不思議だが)のノートとにらめっこしていた×山も、ノートから顔を上げてこちらに注目していた。

注目を受けて、先輩は恥ずかしそうに顔をそむける。そんな先輩を、斜め前に座るNという女子生徒(見たことないが、友人らしい)がすかさず弄る。

 

N「ついにかー! もちろんお相手は、いずみん……」

タ「バカ、声がでかい!」

 

私も、いずみちゃんかーと言って、にやっとしてみせた。

隣の席の×山はというと、再びノートとのにらめっこに戻っていた。興味がないのだろうか。

ちらりとノートを覗き見る。男の子と女の子の絵が描かれていた。はて、どこかで見たことがあるような?

 

タ「お前も卒業式の前に、きめとけよ」

 

先輩の声で我に返る。今度は私が注目されているようだ。

よし、ここはひとつ、からかってやろう。

 

私「私もいずみさんに告白するって言ったらどうする?」

 

すると先輩は見るからに慌てだした。え、おまえそういう、とかなんとか呟いている。

過去の夢日記でも語ったが、誤解のないようにもう一度言っておくと、私にそういう趣味はない。

 

いずみさん、と言いながら、私は別の人を思い浮かべていた。いずみちゃんではなく、いずみさん。今はもう連絡を絶った古い友人だ。元気にしているかしら。

私の言い方の違いに気がついたのか、勘の鋭いNがにやりとした。

 

N「そういえば隣のクラスの石山って、下の名前、いずき、だっけ?」

 

そうなのか?

聞き覚えのない名前だったが、どうやら私がその人をいずみさんと呼び間違えたと思ったらしい。いや、そもそも石山さんのことはまったく知らないのだが。

私がいずみちゃん狙いでないと分かり、先輩は安心したようだ。チッ。

 

「あ」

 

思い出した、と、おもわず呟いてしまった。

石山さんのことではない。隣の席でにらめっこしている奴の算数ノートに描かれている絵のことである。

私が急にノートを取り上げたので、×山は驚いていた。しかし返せとは言わない。

 

ちなみにこの、私が×山と呼んでいる隣の席の男子生徒だが、こいつはどこからどう見てもイトウにしか見えなかった。魚ではない。

イトウ、というのは近所に住む同級生だ。同じクラスになったことはあるが、仲が良かったという記憶はない。この夢では仲の良い友人という設定らしいが。

しかしどう見てもイトウである彼のことを、この夢で私は×山と呼んでいた(わけあって一文字伏せている)。×山も中学の同級生だが、こちらも特に親しくはなかった。イトウよりも話したことがないと思う。

 

さて、そんな×山のノートの絵だが、これは過去に×山が描いた(という設定の)絵である。描かれた男女はそれぞれ×山と私をモデルにしていて、絵の上に小さく、2013という文字と2015という文字が書かれていた。

 

×山「この絵を知ってるのか」

私「知っているもなにも、×山が描いた絵じゃないか。2013年と2015年に」

×山「そうなのか!? 記憶にない」

 

描いた本人は覚えていないらしい。

言い合う私たちを見かねた先輩が、どれどれ、と覗いてくる。

 

タ「この2013ってのは覚えてる」

 

まじか。そっちの方が古いのに。

 

タ「そういえば×山、今日の放課後の買い物は俺が行くよ」

×山「ああそうか?」

タ「いつも行かせていてすまない」

 

放課後は毎日×山が買い物に行っていたらしい。先輩が謝ると、×山は笑って、気にしてないと言った。

 

N「それにしても、告白かあ」

 

先輩の恋愛話が未だに気になるようで、Nがぼそりと呟く。

 

N「告白、するかー」

×山「俺もするかー」

私「私もするかー」

タ「お前らそれノリで言ってるだけだろ」

 

タイミングよくツッコミが入り、わはは、と四人で笑った。

 

 -+-+-+-

 

暫く談笑していると、ようやく準備が整ったようで、待機していた私たちは一斉に別の教室へと移動した。

時間はもう放課後に差し掛かっている。普段なら掃除をして、部活に行ったり帰宅したりするような時間だが、今日だけは特別だ。

掃除の前に、儀式がある。

実はこの儀式、入学式の後にも一度受けている。入学直後と卒業直前に、それぞれ神様から能力を授かるのが、この学校のしきたりだった。

一つの教室に、生徒たちが所狭しと詰め込まれていく。

先生の長い説明が終わると、みんな一斉に神に願いだした。欲しい能力を願う者もいれば、そうでない者もいる。

みんな願いを口に出しているため、誰が何を願っているのか筒抜けだった。先輩は告白の成功を祈っていた。×山も何やら大きな声で願っている。後ろの男子生徒がうるせぇ! と叫ぶ。

 

能力を授かるタイミングは、人によって個人差が出る。この場で授かる人もいれば、今日中に授かれない人もいるらしい。

先輩は比較的早かったようで、すでに授かっていた。どんな能力なのだと周りがざわめき出す。

 

タ「えっと、魔法関連のステータスに補正がかかるパッシブスキル?」

 

めっちゃレアなやつだ、と誰かが言った。

でも先輩は確か……

 

「ハズレだねぇ」

 

先輩の後ろにいた老女がそう言った。

そう、このスキル、先輩にとってはハズレである。先輩は騎士を目指しているため、物理関連のステータスは上げているが、魔法は全く上げていないのだ。

鑑定のばあさんが言うならそうなのか、と誰かが言った。

 

「私も入学式の時、似たような感じだったよ」

 

先輩を励まそうと思ってそう言った。入学式でもらったスキルが魔法系だったが、私の成長タイプ(ステータスの上がりやすさなど)が脳筋型だったためにお蔵入りとなった、という記憶があった。

すると老女が、ふむ、と言って私を見る。

 

「そんなことなさそうじゃが」

「え」

 

意図せず嘘つきになってしまい、恥ずかしかった。

 

 -+-+-+-

 

買い物に行くと言って校舎を出て行った先輩と別れ、私とNと×山は掃除場所に向かう。

途中、門の前で他学年の生徒たちが募金をしていた。儀式を終えた三年生と募金をお願いする下級生とで門の前はごった返していて、まるで大学のサークル勧誘のようだと思った。

Nは500円玉を取り出したが、私は財布を持っていなかったので募金することができなかった。募金箱を持った下級生の前を、頭を下げて通る。申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

ふと後ろを見ると、×山が大金を入れていた。そんなの一体どこから、と驚いていると、お金関連のスキルを授かったのだ、と言われる。

 

私「金持ちか、いいですね」

×山「お前の分まで入れてやったぞ」

私「は?」

 

感謝しろ、と言われて、思わず声が出てしまった。何を言っているんだこいつは、と思った。

 

N「金持ちになったの?」

×山「そうだ。彼女にしてやってもいいぞ」

N「マジ?」

 

Nは満更でもなさそうだったが、私は性格の変化についていけず、眉をひそめた。

Nの肩を抱きながら、お前もどうだと問いかけてくる×山。ついに我慢の限界が来て、もういい、と言って一人で教室に向かった。

お金を持ってしまうとこうも変わるのか。

仲が良かっただけに、悲しみが拭えなかった。

 

 -+-+-+-

 

教室の前の廊下が私の掃除場所だ。廊下を箒で掃きながら、ちらりと窓に目をやる。

儀式に結構時間を使ったのか、外はすでに暗くなり始めていた。窓から見える向かいの校舎の教室にも、ぼちぼち明かりが付きはじめている。その中のひとつに、私の部活の部室もあった。

後輩から、今日の放課後、部室に来てほしいと言われていた。卒業祝いになにか考えてくれているらしい。

早めに終わらせて向かおう、と箒を握り直した時だった。

右手が急に冷たくなり、痺れてきた。何故かつけていた軍手を外すと、手首から上が紫色に変色した右手が現れる。

焦りと同時にステータスが開かれた。スキル発動欄に毒耐性のスキルが点滅しているのを見て、ああこれは、と理解する。

珍しいパターンだが、スキルの習得時、そのスキルのレアリティが高いと、持ち主に危険が及ぶことがあるらしい。このことは一部で、神からの試練だと言われていた。持ち主にこのスキルを使いこなせるだけの技量があるかどうかが試されている、と言うのだ。

期待に胸が高鳴る。強いスキルかもしれない。

 

近くの水道でお湯を出し、右手を温めた。しばらくして色が落ち着いてくる。しかし手の冷たさは良くならない。

試練を乗り越えられなかったのかと不安になり始めてきたその時、ようやく毒耐性のスキルがオフになった。同時に、スキルを習得したことがわかる。

なんと二つも習得していた。こんなこともあるのかと驚きつつ、スキルを確認しようとして、

 

 

目が覚めた。右手が異様に冷たい。見ると右手だけが布団の上に出ている。

厚みのある布団のせいで肩より高い位置に手が置かれていたため、十分に血が通っていなかったらしい。

右手が痺れる感覚を徐々に認識しながら、まだ見ぬレアスキルに思いを馳せた。

 

【夢日記】3月24日の夢「放課後の青トカゲ」

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放課後。

高校の体育館に私はいた。バレー部やバスケ部が部活動を行っている。

そんな中私はというと、何をしているのか自分でも理解不能だが、体育館の一階と二階を行ったり来たりせわしなく動いていた。

そうこうしているうちに、階段の途中に置いてあった小さな木の踏み台を壊してしまった。やってしまった、という気持ちと、なんでこんな邪魔なところに、という気持ちが混じる。

 

「体重増えたかな」

 

壊したとき派手な音がしたからか、いつの間にか周りに人が集まっていた。ざわざわしている。

その中に幸いにも、バレー部の顧問をしている体育の先生がいた。

確かこの踏み台を作ったのは彼だったはず。夢の中の私が、夢の中の記憶を探る。

 

「うわ、また派手にやっちまったなあ。これ直せるかな」

「すみません」

「おい、×森、お前これの修理してくれ」

 

何森だったか上手く聞き取れなかったので仮に森先輩とするが、先生が声をかけると、ちょうど工具を持った男性の先輩がひょこっと顔を出した。

 

「こういうの得意だろ」

「うっす」

 

さっそく修理に取り掛かってくれる。まわりの生徒たちはいつの間にか部活動に戻っており、先生と私と、それから森先輩の友人らしい女性の先輩が、森先輩の修理を見守る形となった。

ちなみにこの女性の先輩、現実では同じ部活の先輩であった。名を仮にT先輩とする。

 

T先輩は森先輩の修理に不満があるようだ。先ほどから何度か、ここはこうだった気がする、と指摘を繰り返している。

私も気になるところがあった。確か先生が前作っていたのは、Mのような形に折り曲げることができたのではなかっただろうか。

上手く説明ができず困っていると、T先輩の友人らしき女性の先輩が、ちょうどよく鏡を持って現れる。それだ。

 

「すみませんこれ、ちょっと借ります」

 

快く貸してくれた。Mのような形に折りたたまれている鏡を森先輩に見せ説明すると、先輩も納得したようだ。

 

森「しかしこれでは材料が足りない」

T「何が必要なの」

森「青玉。木と組み合わせて青トカゲを作るんだ」

 

踏み台を作るのでは?

 

 -+-+-+-

 

材料を取りに行ってから作るということで、一度解散することになった。私も私で、用事を思い出す。

祖母の墓参りに行かねばならぬのだ。

どうやら祖母の墓が別の寺へ移動したらしいので、その寺へ向かう予定になっていた。

 

山道を車で登り、ようやく目的地へと辿り着く。

寺にはたくさんの墓が並んでいて、その中でもひと際大きな墓が祖母の墓だった。大きすぎないかと心配になるくらい大きかった。

祖母の墓の前で手を合わせていると、近所に住む同じ中学だった女の子がやってきた。喪服。親戚と思われる人々もいる。

彼女の母親が亡くなったらしい。

するとその母親が、姿を現した。幽霊というやつだと思う。しかも見えているのは私だけらしい。

私は彼女に、泣いて謝った。

 

「私は××ちゃんのお母さんとはあまりお話をしなかった。もっと仲良くすればよかった」

 

後悔の気持ちが強く、胸が苦しい。そんな私に彼女は微笑んだ。

 

「オムライスの中身を一緒に考えたことがある。楽しかったよ」

 

苦しかった気持ちが楽になる。ありがとうございます、と泣きながら笑顔をつくり、彼女に最期の別れを告げた。

 

 -+-+-+-

 

夜になり、踏み台を受け取っていないことを思い出した。母に頼んで急いで高校まで送ってもらう。

校舎の前は、夜なのに人が押し寄せていた。

ほとんどが生徒だと思われる。その人混みの中を強引に進むと、T先輩がいた。T先輩を見て、先輩の友人から鏡を借りたままになっていたことを思い出す。

 

「すみませんが、これ、返しておいてもらってもいいでしょうか」

「いいけどそんなことよりも×森が……」

 

T先輩は何やら焦っているようだった。彼女に背を押され、校内へ入る。

玄関のすぐ先に会議室があり、その前に見知った顔があった。夢の中では私と彼は幼馴染らしい。現実では見たことのない男子生徒だった。

 

男「おい急げ、もう取り返しがつかないぞ」

私「なにがあったの?」

男「青トカゲの所持が発覚したんだ。母上は許さないだろう……」

 

彼の母親は理事長らしい。

彼に案内されて会議室へ入ると、理事長、校長、教頭、そしてなぜか料理長、と様々な職の人が揃っていた。全員が険しい顔でこちらを見ている。

 

理事「来ましたね」

私「森先輩は悪くないんです。私が踏み台の修理を依頼しました。すみませんでした」

理事「もう遅い。青トカゲを所持していた彼には、相応の罰が下ったわ」

私「罰?」

 

嫌な予感がした。そしてそれは当たる。

 

理事「彼は先刻、処刑されました」

 

なんということだ。

私が受け取るのを忘れていたばかりに。早く受け取らなかったばかりに。

いや、そもそも踏み台を壊したばかりに。

森先輩は処刑されてしまったのだ。

 

その場で泣き崩れる私を、視界の隅で幼馴染が悲しそうに見ていた。

目覚めた私も、泣いていた。

【夢日記】3月23日の夢「魔物退治」

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私は少年だった。

谷のような場所で、偶然通りがかった、小型の飛行機に乗ったおじさんと出会い、それは××病だ、と言われる。病名は聞き取れなかった。

おじさんは医者のようだ。どうやら私は異世界で病気を患っているらしい。

 

医者のおじさんに助けられ、彼の家にお邪魔させていただくことになった。

森の奥深くのような人気のない場所に小さな洋館が建っている。

一人暮らしにしては結構な大きさだ。別荘みたいだと思った。

 

森には魔物がうろついている。

おじさんと喧嘩でもしたのか、私は洋館を出て行った。

 

ここでおじさんへと視点が変わる。

 

森にうろつく魔物のせいで、どうせ少年は森を出ることができないので、出て行ってもそのうち帰ってくるだろう、とたかをくくっていた。

しかし少年は一向に帰ってくる気配がなく、焦り始めたころ、洋館の周りに突如大量の魔物が現れた。

 

戦う決意はしたが、死なない自信はなかった。

そこへ少年が戻ってくる。危ないから離れろ、と言いかけた時、大量の魔物は少年を見て慌てて森の中へ逃げて行った。

 

どういうことだと尋ねると、どうやら少年は森の中で魔物を退治しまくっていて、それを知っていた魔物たちが恐怖で逃げ出したのだ。

少年は戦い慣れていたのだった。

 

少年の後ろには三人の男性がいた。役人のようだ。彼らを連れてくるために洋館を出て行ったのか。

 

「この人たちに頼めば、おじさんの夢は叶う」

 

感動した。少年はおじさんの夢のために人を集めたのだ。

彼らはこの星と他の星を繋ぐ人達だった。

 

「遠く離れた星に、豚汁を届けたい」

「それならこのくらいの時間で可能だろう」

 

役人が素早く計算し、メモを見せた。メモには10:00とある。何の時間かは不明だ。

おじさんは、ありがとう、と何度もお礼を述べた。

これでファなんだか星に豚汁を届けることができる、と。

 

肝心の星の名前は、やっぱり聞き取れなかった。

【夢日記】3月21日の夢「村の設計」

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時代は不明だが、まだ畑を耕して動物を狩って生活しているような、村。

村を、上空から探している。

 

鳥のように飛んでいるわけではない。映像を見ているかのように、バッと景色が流れるだけだ。自然をテーマにしたテレビ番組の冒頭映像のようである。

どこまでも生い茂る木々に、シムシティを思い浮かべる。縄文時代から始めて近未来まで都市をつくるシミュレーションゲームだ。やりたくなってきた。

 

暫く探していると、木々が開け土地が見えた。畑と、道と、藁でできた数軒の家がある。村だ。

その村から少し離れたところに降り立つようにして、私の視界が安定する。

 

目の前に一人の青年がいた。ぽっちゃりというべきか、ガタイがいいというべきか、体の大きな男性だ。歳は20代真ん中あたりだろうか。

紙のようなものを持ってうろうろしている。設計図か?

 

「こんにちは」

 

声をかけると、話しかけられると思ってなかったのか、彼は驚いたようだった。

何をしているのかと尋ねると、村を作っているのだと言う。新しい村を設計しているらしい。

 

「村人はどちらへ?」

「そこのファミレスにでもいるんじゃないかな」

 

風景に似合わない単語に、ファミレス、と思わず復唱してしまう。するとどこからともなく見慣れたファミレスが現れる。

思った通り風景に似合わないが、彼以外の村人はここにいるようだ。

 

「一緒に作ればいいのに?」

「彼らには嫌われているのさ。村の設計も反対されている。俺より適任だと言われている人もいる」

「そうなのか」

 

雰囲気だろうか。失礼だが確かに私も好印象ではない。

フォローできずに黙っていると、だろうな、と返ってくる。

 

 -+-+-+-

 

彼が設計に戻り、私はファミレスへ向かった。

外から見た建物の割に店内は狭く、一本の通路の片側に三つほど席があるだけだった。それぞれ客が座っている。彼らが村人だろう。

 

「こんにちは」

 

声をかけると皆笑顔で返してくれる。

手前にいたのはカップルのような男女だ。髪の長い美人な女性が、この人は村の外から来たのだと男性を紹介してくれる。

 

「この村の女性を取材しに来たのよ」

「ここは美人が多くてね」

 

ふむふむ。なるほど。

しばらく世間話をしてから、彼らに手を振って隣の席へ向かう。

 

挨拶をすると、こちらも笑顔で返してくれた。二人組の若い女性だ。

 

「私も取材されたの!」

 

確かにこの村の人は美人や美少女が多い。彼女たちも可愛い。

こちらもふむふむと世間話をし、手を振って最後の席へ向かった。

 

最後の席は窓際だった。窓の方に男性が二人、向かいの席に女性が一人。

男性のうち一人は細身の若者だ。大学生と言われても頷ける。

もうひとりはがっしりとした体型で、嫌われ者の青年よりも筋肉質だ。体育会系というやつだろうか。歳は30代手前に見える。

女性の方は終始黙っていたので印象にない。

 

「こんにちは」

「こんにちは、村の外から来たんだね」

 

この席に来るまでの間あまり有益な情報を得られなかったので、すぐに本題を切り出す。

 

私「彼の設計を手伝わないのか?」

体育会系「嫌われ者のことかい。そもそも村の設計は僕がやる予定なんだ」

細身「それにあいつには関わりたくない」

 

随分と嫌われているようだ。話すのも嫌らしい。

そこまで嫌われている人を見ると、なぜか逆に愛着が湧いてくる私である。いつの間にか説教を始めていた。

 

嫌われ者の彼とは少ししか話していないのに、まるで長年知り合いだったかのように、彼がいかに素晴らしい設計をしているのかを説いた。

始めは反論していた体育会系の男性も次第に言葉を失い、最終的に納得してくれたようだ。

私は随分と興奮していたのか、むきになって一気に捲し立てたせいで息が上がっていた。

体育会系の男性は、細身の男性を連れて嫌われ者の彼のところへ向かうようだ。

無事に仲良く村を作れるといい。

 

そう思いながら意識を現実へ引き上げる。

現実の私も、まるで持久走の後のように、ぜいぜいと呼吸が荒くなっていた。

【夢日記】3月20日の夢「文化祭の日」

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中学校。

文化祭当日のようだ。青と白の浴衣は文化祭にふさわしいが、短い丈の下からジーパンが見えているので随分と奇妙な恰好だった。恥ずかしい。

 

慌ただしく準備する生徒たちの中、私と彼女は腕を組んで歩いていた。

きっかけは不明だが、小学校から仲の良かった友人と付き合えたようだ。同性である彼女にそういう想いを抱いたことはないはずだが。

校内で腕を組んで歩いているにもかかわらず、私は周りの生徒たちに、彼女の相手が自分だということがバレたくなかったようだ。必死に顔を隠して歩くが、かえって目立っている。

 

ほらみろ、後ろから数人の同級生が追いかけてきている。

 

「M(彼女の名前)と付き合ってる子誰?」

「背格好的に……」

 

私の名前と、それから知らない子の名前。二択まで絞れたようだ。

 

冷や汗が出るのを感じながら、校舎と校舎を繋ぐ渡り廊下を歩く。

この渡り廊下が少し特殊で、天井はなく屋上のような造りになっている。朝のはずなのに夜の星空の下、反対側の校舎を目指した。するとユカ先生が行く手を阻む。

 

先生「こっちの校舎は鍵を閉めるの。残念だけど」

 

下校時間だろうか。これから文化祭のはずだけれど。

しかしユカ先生は生徒に甘い。こっそりと、下の階の渡り廊下からならこっちの校舎に入れると教えてくれた。階段を下りてすぐの、二階の渡り廊下のことだ。

 

M「それならあまり人がいないかも。こっちの校舎に隠れよう!」

 

Mが大きな声で提案する。それを、追いかけてきた子たちがすぐ後ろで聞いている。

こっそり教えてくれたユカ先生と私は苦笑を浮かべた。

 

(せめて小声で言ってよ、バレバレじゃん。)

 

 

 

鍵を閉められた校舎に移動したが、思ったより人がいて、とある教室の一角でついに追いつめられてしまった。

そのタイミングで、クラスの出し物の準備が、とMが手を振って帰ってゆく。

追いかけてきた子たちに顔がバレないよう背を向け、教室の隅でひとり居心地悪く立ち尽くす。

 

と、その中の一人が声を上げた。

 

「あ、その両手鈍器は」

 

声の主は、私がお姉さまと慕っていた友人だった。

両手鈍器、と言われて右手をみると、ゲームで回復職のキャラが装備する大きな鈍器を私が装備している(何故)。RPGか。

鈍器の先端にはこれまた大きなチョコレートケーキが。おそらくブッシュドノエルというやつである。

たしか昨年のクリスマスケーキはこれだった。

 

姉「その両手鈍器は、クリスマス限定でもらえるノエルなんちゃらね! それを持っているということは、××ちゃんで間違いない」

 

自信満々に、私じゃない子の名前を指摘するお姉さま。逃げなくてもよかったのに、と頭を撫でてくる。

いや、別人なんだが?

 

 ー+ー+ー+ー

 

お姉さまと慕っていた相手に別人と間違えられ、いたたまれなくなり、走って教室から飛び出した私は、校舎を繋ぐ屋上のような渡り廊下に戻ってきていた。

先ほどの星空は青空に変わり、草木や花が芽吹き屋上庭園と化している。美しい。

屋上庭園には大きな柱と、それを囲むように木製のベンチがあった。迷うことなく柱の陰に身を隠す。

 

ふと気がつくと、遠くから、灰色の袴を着た同級生の男子がこちらを窺っていた。あれは誰だったか。

しばらくしてこちらに近づき、隣に座った。来るなとも言えず、特に会話もなく時だけが進む。

 

そうしているうちに、あたりが騒がしくなってきた。

どうやら三組の生徒たちが、文化祭で披露する踊りの練習に来たようだ。三組は団結力が強かったなあなどとどうでもいいことを考える。

ちらりと窺ってみると、先頭で見知った男子が率いていた。学級委員長、思った通りこいつだったかと思った。

 

だがそんなことはどうでもいい。驚いたのは30人か40人ほどのクラスメンバー全員が着ていた、お揃いの着物の色だ。黒地に紫色の模様、差し色に黄色。

屋上庭園に似合わない派手さに、少しばかり目が眩む。

Mが三組でなくてよかったと思った。

 

 

 

三組の練習を音楽だけ聞きながらぼうっとしていると、鍵が閉められていない方の校舎から、やんちゃそうな男子がこちらにやってきた。後ろに四人の女子を連れている。

 

やんちゃ「来たぞ!」

女子たち「よろしくおねがいします」

 

何事かと思ったが、どうやら料理教室を始めるようだ。

ちなみに女子たちが生徒で、教えるのは私とやんちゃ男子と灰色の袴の子らしい。

知らない間に待ち合わせしていたのだ。びっくりして灰色男子を凝視してしまった。

 

そんな私に構わず、よし、と呟くと、灰色男子はテキパキと料理の説明を始める。説明をしていると、女子生徒のひとりが、カレーをおにぎりにしたいのだと言った。

カレーをおにぎりに???

 

灰色男子はふむふむと頷くと、迷わず準備の指示をしはじめる。

やんちゃ男子だけがついていけなかったらしい。

 

「カレーをおにぎりに!? どうやって!?」

 

彼の言葉を聞いた時、よく言ってくれたと思ったものだった。私もそれを言いたかったのだ、と。

しかし私の口から出たのは、考えてもいない言葉だった。

 

「カレー味のごはんにするのでは? チャーハンのようなイメージで」

 

その考えに私が驚いたもの。なるほど。

やんちゃ男子も納得したようで、

 

「(普段あんま喋んないくせに)こういう時はちゃんと案を出すんだな、見直したぜ!」

 

などと言って親指を立てて見せた。

褒められたのか貶されたのか分からず、何とも言えない気持ちになった。

 

 ー+ー+ー+ー

 

着々と準備が進む中。

カレーをおにぎりにしたい子とは別の女子生徒が、やることが多くて大変なのだと言った。高校の頃の部活の後輩ちゃんだった。

 

このままでは料理教室どころじゃないと言うので、手分けして手伝うことに。

私は彼女が友人に渡す予定だった年賀状を、代わりに届ける係になった。文化祭なのになぜか今日は元旦らしい。

しかもたった三枚だ。この係は必要なのだろうか。

 

職員室の横に学級ポストなるものがあったはず、と思い一階に向かった。クラスごとにお知らせの紙などを入れて、各クラスに配ってもらうためのものだ。

後輩ちゃんいわく、年賀状も学級ポストに入れれば配ってくれるらしい。便利だ。

 

向かいながら三枚の宛先を確認すると、一枚だけクラスの分からないものがあった。おそらく二年生の子なので、その辺にいた二年生の子に声をかけてクラスを訪ねる。

文化祭の準備で忙しそうだったが、二人組の女子生徒が快く教えてくれた。

しかしお礼を言って立ち去ろうとすると、

 

「もしかして、とこちゃん?」

 

と、呼び止められた。朝から身バレを恐れて逃げ隠れしていたので、反射的に身が竦む。

ゆっくりと振り返ると、小学生の頃近所に住んでいた二つ下の女の子が、私の顔を見てやっぱりと言った。

 

トモちゃんだった。昔はよく一緒に遊んだのに、中学で疎遠になり、高校が偶然同じだったにもかかわらず廊下ですれ違ってもお互い他人のふりをしてしまっていた。

あのころ声をかけられなかったことを、心のどこかで後悔していたのだろうか。今の今まで忘れていた。

 

「とこちゃん四組だったよね? 文化祭の時行くね!」

「あ、ごめん、クラスには来ないで」

 

何を思ったのか私は断った。かわりにトモちゃんのクラスを聞き、あとで行くねと約束して別れた。

その際にトモちゃんのお姉ちゃんのクラスが753組だと教えてもらい、そんなにクラスあるのかと驚いた。

 

学級ポストにつくと、そこはまるで下駄箱のようだった。クラスの数の分だけポストがあるのだ。

112組や803組などの現実にはありえないクラスに、年賀状を入れていく。

郵便局の仕分け作業がきっとこんな感じなんだろうと思った。

 

三枚をそれぞれのポストに入れると、四枚目が現れた。かと思えば、いつの間にか手に持っていた年賀状が束になり、厚みが2,3センチほどになっている。

絶望的な気分に浸っていると、料理教室にいた子が手伝いに来てくれた。

お礼を言って半分渡そうと思ったのだが、手に取った数が思ったより多くて、半分以上渡してしまい、罪悪感を覚えた。

はじめに。

今日から夢日記をつけることにした。

ついでに現実の方もちょこちょこ書けたらいいなと考えている。

 

今朝見た夢のことを思い出しながら文字にしていると、脳が現実と夢の狭間を行ったり来たりしていて楽しい。

夢日記をつけていると気が狂うだとか、つけているけど気が狂わないだとか、いろいろな話があるが、既に気が狂ったような性格をしている私なら何も問題はあるまい。

 

普段は学校が舞台の夢や、ファンタジックな夢が多いように感じる。しかしそう感じるだけで、実際は忘れているその他のジャンルが多いのかもしれない。

この夢日記を通して、自分が普段どんな夢を見ていたのかを、いつか振り返ることができたら楽しいだろうなと思う。