《夢日記》Mr.Dに蝕まれながら

徐々に蝕まれつつ、夢と現実を行き来する日々の記録。

【夢日記】3月20日の夢「文化祭の日」

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中学校。

文化祭当日のようだ。青と白の浴衣は文化祭にふさわしいが、短い丈の下からジーパンが見えているので随分と奇妙な恰好だった。恥ずかしい。

 

慌ただしく準備する生徒たちの中、私と彼女は腕を組んで歩いていた。

きっかけは不明だが、小学校から仲の良かった友人と付き合えたようだ。同性である彼女にそういう想いを抱いたことはないはずだが。

校内で腕を組んで歩いているにもかかわらず、私は周りの生徒たちに、彼女の相手が自分だということがバレたくなかったようだ。必死に顔を隠して歩くが、かえって目立っている。

 

ほらみろ、後ろから数人の同級生が追いかけてきている。

 

「M(彼女の名前)と付き合ってる子誰?」

「背格好的に……」

 

私の名前と、それから知らない子の名前。二択まで絞れたようだ。

 

冷や汗が出るのを感じながら、校舎と校舎を繋ぐ渡り廊下を歩く。

この渡り廊下が少し特殊で、天井はなく屋上のような造りになっている。朝のはずなのに夜の星空の下、反対側の校舎を目指した。するとユカ先生が行く手を阻む。

 

先生「こっちの校舎は鍵を閉めるの。残念だけど」

 

下校時間だろうか。これから文化祭のはずだけれど。

しかしユカ先生は生徒に甘い。こっそりと、下の階の渡り廊下からならこっちの校舎に入れると教えてくれた。階段を下りてすぐの、二階の渡り廊下のことだ。

 

M「それならあまり人がいないかも。こっちの校舎に隠れよう!」

 

Mが大きな声で提案する。それを、追いかけてきた子たちがすぐ後ろで聞いている。

こっそり教えてくれたユカ先生と私は苦笑を浮かべた。

 

(せめて小声で言ってよ、バレバレじゃん。)

 

 

 

鍵を閉められた校舎に移動したが、思ったより人がいて、とある教室の一角でついに追いつめられてしまった。

そのタイミングで、クラスの出し物の準備が、とMが手を振って帰ってゆく。

追いかけてきた子たちに顔がバレないよう背を向け、教室の隅でひとり居心地悪く立ち尽くす。

 

と、その中の一人が声を上げた。

 

「あ、その両手鈍器は」

 

声の主は、私がお姉さまと慕っていた友人だった。

両手鈍器、と言われて右手をみると、ゲームで回復職のキャラが装備する大きな鈍器を私が装備している(何故)。RPGか。

鈍器の先端にはこれまた大きなチョコレートケーキが。おそらくブッシュドノエルというやつである。

たしか昨年のクリスマスケーキはこれだった。

 

姉「その両手鈍器は、クリスマス限定でもらえるノエルなんちゃらね! それを持っているということは、××ちゃんで間違いない」

 

自信満々に、私じゃない子の名前を指摘するお姉さま。逃げなくてもよかったのに、と頭を撫でてくる。

いや、別人なんだが?

 

 ー+ー+ー+ー

 

お姉さまと慕っていた相手に別人と間違えられ、いたたまれなくなり、走って教室から飛び出した私は、校舎を繋ぐ屋上のような渡り廊下に戻ってきていた。

先ほどの星空は青空に変わり、草木や花が芽吹き屋上庭園と化している。美しい。

屋上庭園には大きな柱と、それを囲むように木製のベンチがあった。迷うことなく柱の陰に身を隠す。

 

ふと気がつくと、遠くから、灰色の袴を着た同級生の男子がこちらを窺っていた。あれは誰だったか。

しばらくしてこちらに近づき、隣に座った。来るなとも言えず、特に会話もなく時だけが進む。

 

そうしているうちに、あたりが騒がしくなってきた。

どうやら三組の生徒たちが、文化祭で披露する踊りの練習に来たようだ。三組は団結力が強かったなあなどとどうでもいいことを考える。

ちらりと窺ってみると、先頭で見知った男子が率いていた。学級委員長、思った通りこいつだったかと思った。

 

だがそんなことはどうでもいい。驚いたのは30人か40人ほどのクラスメンバー全員が着ていた、お揃いの着物の色だ。黒地に紫色の模様、差し色に黄色。

屋上庭園に似合わない派手さに、少しばかり目が眩む。

Mが三組でなくてよかったと思った。

 

 

 

三組の練習を音楽だけ聞きながらぼうっとしていると、鍵が閉められていない方の校舎から、やんちゃそうな男子がこちらにやってきた。後ろに四人の女子を連れている。

 

やんちゃ「来たぞ!」

女子たち「よろしくおねがいします」

 

何事かと思ったが、どうやら料理教室を始めるようだ。

ちなみに女子たちが生徒で、教えるのは私とやんちゃ男子と灰色の袴の子らしい。

知らない間に待ち合わせしていたのだ。びっくりして灰色男子を凝視してしまった。

 

そんな私に構わず、よし、と呟くと、灰色男子はテキパキと料理の説明を始める。説明をしていると、女子生徒のひとりが、カレーをおにぎりにしたいのだと言った。

カレーをおにぎりに???

 

灰色男子はふむふむと頷くと、迷わず準備の指示をしはじめる。

やんちゃ男子だけがついていけなかったらしい。

 

「カレーをおにぎりに!? どうやって!?」

 

彼の言葉を聞いた時、よく言ってくれたと思ったものだった。私もそれを言いたかったのだ、と。

しかし私の口から出たのは、考えてもいない言葉だった。

 

「カレー味のごはんにするのでは? チャーハンのようなイメージで」

 

その考えに私が驚いたもの。なるほど。

やんちゃ男子も納得したようで、

 

「(普段あんま喋んないくせに)こういう時はちゃんと案を出すんだな、見直したぜ!」

 

などと言って親指を立てて見せた。

褒められたのか貶されたのか分からず、何とも言えない気持ちになった。

 

 ー+ー+ー+ー

 

着々と準備が進む中。

カレーをおにぎりにしたい子とは別の女子生徒が、やることが多くて大変なのだと言った。高校の頃の部活の後輩ちゃんだった。

 

このままでは料理教室どころじゃないと言うので、手分けして手伝うことに。

私は彼女が友人に渡す予定だった年賀状を、代わりに届ける係になった。文化祭なのになぜか今日は元旦らしい。

しかもたった三枚だ。この係は必要なのだろうか。

 

職員室の横に学級ポストなるものがあったはず、と思い一階に向かった。クラスごとにお知らせの紙などを入れて、各クラスに配ってもらうためのものだ。

後輩ちゃんいわく、年賀状も学級ポストに入れれば配ってくれるらしい。便利だ。

 

向かいながら三枚の宛先を確認すると、一枚だけクラスの分からないものがあった。おそらく二年生の子なので、その辺にいた二年生の子に声をかけてクラスを訪ねる。

文化祭の準備で忙しそうだったが、二人組の女子生徒が快く教えてくれた。

しかしお礼を言って立ち去ろうとすると、

 

「もしかして、とこちゃん?」

 

と、呼び止められた。朝から身バレを恐れて逃げ隠れしていたので、反射的に身が竦む。

ゆっくりと振り返ると、小学生の頃近所に住んでいた二つ下の女の子が、私の顔を見てやっぱりと言った。

 

トモちゃんだった。昔はよく一緒に遊んだのに、中学で疎遠になり、高校が偶然同じだったにもかかわらず廊下ですれ違ってもお互い他人のふりをしてしまっていた。

あのころ声をかけられなかったことを、心のどこかで後悔していたのだろうか。今の今まで忘れていた。

 

「とこちゃん四組だったよね? 文化祭の時行くね!」

「あ、ごめん、クラスには来ないで」

 

何を思ったのか私は断った。かわりにトモちゃんのクラスを聞き、あとで行くねと約束して別れた。

その際にトモちゃんのお姉ちゃんのクラスが753組だと教えてもらい、そんなにクラスあるのかと驚いた。

 

学級ポストにつくと、そこはまるで下駄箱のようだった。クラスの数の分だけポストがあるのだ。

112組や803組などの現実にはありえないクラスに、年賀状を入れていく。

郵便局の仕分け作業がきっとこんな感じなんだろうと思った。

 

三枚をそれぞれのポストに入れると、四枚目が現れた。かと思えば、いつの間にか手に持っていた年賀状が束になり、厚みが2,3センチほどになっている。

絶望的な気分に浸っていると、料理教室にいた子が手伝いに来てくれた。

お礼を言って半分渡そうと思ったのだが、手に取った数が思ったより多くて、半分以上渡してしまい、罪悪感を覚えた。